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【MBAバリュエーション】シリーズでは、プロローグから三菱HCキャピタル社(8593)を分析対象に各種指標などから割安性を判断しています。
第3回では三菱HCキャピタル社の企業総価値を算定しました。
第4回は三菱HCキャピタル社が属するリース業界の競合他社の財務分析を行い、該社の示す指標や売上高、利益高が競合と比して安全なのか、乖離していないのかを確認していきます。
競合企業分析
三菱HCキャピタルが属するリース業界は、オリックス(8593)、東京センチュリー(8439)、芙蓉総合リース(8424)が該社の競合企業として存在しています。
これらの企業も第3回と同じように財務分析し企業総価値や損益データを確認しておきます。
オリックス
オリックス株式会社は、大阪府大阪市と東京都港区に本社を置く日本の大手総合金融サービス企業。祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、事業投資、環境エネルギー投資、プロ野球など多くの事業を手掛けており、グループを通して多角的金融サービス業を提供している。(wikipediaより引用)
東京センチュリー
東京センチュリー株式会社は、東京都千代田区に本社を置く、日本の大手総合リース会社。伊藤忠商事の持分法適用関連会社である。 2016年10月1日付けで、旧社名「東京センチュリーリース」から現在の社名に変更された。(wikipediaより引用)
芙蓉総合リース
芙蓉総合リース株式会社は、東京都千代田区麹町に本社を置く日本の大手総合リース会社。旧富士銀行系列である芙蓉グループの一員で、みずほフィナンシャルグループとの関係が強い。(wikipediaより引用)
競合3社もプライム上場で会社規模もかなり大きいです。
三菱HCキャピタル社と競合他社の分析
それでは第3回と同様に該社と競合他社を並べて比較しましょう。
分析企業 | 三菱HCキャピタル | オリックス | 東京センチュリー | 芙蓉総合リース |
企業総価値(MV) | 9,478,580 | 8,868,631 | 5,416,213 | 2,189,990 |
簿価純資産 | 1,272,372 | 1,353,550 | 406,407 | 236,772 |
1,損益データ | ||||
売上高 (営業収益) | 2,220,000 | 2,929,000 | 1,350,000 | 690,000 |
営業利益 (EBIT) | 200,000 | 421,000 | 115,000 | 63,500 |
減価償却 | 386,724 | 387,776 | 221,130 | 47,866 |
償却前営業利益 (EBITDA) | 586,724 | 808,776 | 336,130 | 111,386 |
税引前当期純利益 (NOPAT) | 138,000 | 469,975 | 87,500 | 45,000 |
2,財務指標 | ||||
売上高成長率 | 1.14% | 1.04% | 1.00% | 0.97% |
営業利益成長率 | 1.37% | 1.17% | 1.10% | 1.06% |
売上高成長率 | 9.01% | 14.42% | 8.52% | 9.20% |
3,諸々の倍率 | ||||
PBR | 1.162 | 2.509 | 1.893 | 0.520 |
PER | 10.7 | 7.2 | 8.8 | 2.7 |
EBITDA倍率 | 16.2 | 11.0 | 16.1 | 19.7 |
(単位:百万円)
他3社の数字をここまで並べることで、数字がどの程度良い状態か、乖離があるのかわかります。企業総価値は三菱HCキャピタルが圧倒的に高いですが、税引前当期純利益はオリックスの方が高いなど色々な差がわかります。該社とオリックスとでは、資産のポートフォリオ構成も異なるために利益を出しやすい、利益を出しにくい等の要因もあり、数字に違いが出ています。
一方で財務指標に目を向けると、購入を検討している三菱HCキャピタル社も4社とも大きな乖離はなく安心して買える材料になっていると思います。
また諸々の倍率も、異常値は検出されずPBRもオリックス、東京センチュリーに比して割安。ただ、PERは競合他社の中で一番高く割高、EBITDA倍率はほぼ中間点というところで、超割安でないにしても、割高とは言えないことを示しているように思います。
超割安ではないが、超割高とも言えない状態です
まとめ
三菱HCキャピタル社を分析するにあたり、オリックス、東京センチュリー、芙蓉総合リースの3社の競合分析を行いました。
競合他社と比べて超割安でもないが、超割高でもない。という結果になりました。
次の段階へ・・・
以上から該社の割安判断を行う分析は「継続」と判断しました。
次回の投稿では「5ヵ年先の収支見込みを作成し企業総価値を測定、現在価値に割り戻す」を行います。
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皆様の投資判断のお役に立てれば幸いです。それでは🖐️
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