ということで、【経済的な堀】第1~6回までは「あったら買うべき堀」について解説してきました。
本項目からは「買ってはいけない堀(惑わされてはいけない)堀」について解説します。
では進みましょう!
惑わされてはいけない「”偽”経済的な堀」とは?
第6回までは、企業が稼ぎ続ける事業を守る堀について解説してきました。
【復習】
①無形資産
②乗り換えコスト
③ネットワーク効果
④規模の優位性
以上が経済的な堀でした。
偽の堀:技術的な優位
近ごろ半導体、AI、EV等の新技術が勃興し、各社が技術開発を日々続けています。
2015年頃にはスマートフォンが市場に現れ、日本のメーカーも東芝、パナソニック、NEC等が参入しましたが、10年後の現在はapple、サムスン、ソニー位になってしまいました。
これは売れたスマートフォンは他社も真似をし、最後には他社も同じような機能を搭載し、
技術的な優位性がなくなることでメーカーが淘汰されてしまったからです。
結局、ソニーのようにカメラ、メモリを自社で開発できた会社はスマートフォン事業が残っていますが、他の会社はどうでしょう?技術的な優位性は長く続きません。
これ以外にもハイテク企業の堀が壊れた例は多数あります。
例えば今でこそ、持ち前の化学技術で挽回している富士フィルムは
一時期写真フィルムでシェアがかなりありましたが、デジタル技術の発展により業績が悪化しました。
偽の堀:業界を揺るがす変化
地域の商店街が郊外に出店してきた大型スーパーに淘汰されたように、
業界を揺るがす大きな変化や、特定の企業により寡占状態となった業界の1社に対して公的資金の注入などが発生すると、同業他社もそれの影響を受けます。
また、今まで機械機器の保守契約などのいわゆるサブスク型契約で利益を上げていた会社も、
代替技術の発展や他に安く保守をできる会社が現れる場合は堀が薄くなるか壊れていきます。
偽の堀:悪しき成長
選択と集中という言葉をよく聞きます。
トヨタ自動車並みの企業規模がある会社であれば、多少の風邪を引いても関係ないかもしれません。
しかし中堅規模以下の会社が本業以外、例えば地場のセメント会社が飲食店を出したり、
学習塾の経営をはじめたりするのは、良いことではありません。
優位性がある分野に利益を再投資することが重要になります。
まとめ
まとめに入ります。
気を付けるべき「”偽”の経済的な堀とは?」
・技術的優位性
→技術的優位性は他社も真似をする、追い越されることがあります。
特にその技術を使って優位に立った会社には注意が必要です。
・業界を揺るがす変化
→業界の構造変化、
また今まで払わざるを得なかった費用を払わずに済むようになることがあります。
・悪しき成長
→優位性がある分野に利益を再投資した方が良いです。
変な副業は金食い虫になります。
以上、今までは企業の強み「経済的な堀」を解説しましたが、
本項目では「”偽”の経済的な堀について解説しました。
次回は、「経済的な堀」と「”偽”の経済的な堀」をまとめます。
もしいただける際は下記からコメントをお願いいたします。
コメント