【正しい銘柄探し】第2回:正しい場所、正しい銘柄を~会社の使命、数的な根拠~

正しい銘柄探し

【正しい銘柄探し】第1回に引き続いて、今回は正しい銘柄であることを判断するための
指標、数的な根拠について解説していきます。

会社の使命

会社の使命とは投資家から資金を受け入れ、それを事業に投資して更に資金を増やすことです。

資産を増やせている会社が勝手に出してしまう指標=数字を発見することが大きなカギになります。
以下では、そのカギと、どの程度の数字が出ていれば堀があると考えられるかお伝えします

割安性を示す指標

PSR(株価売上高倍率)

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割安性を示す指標で、PSRをできる限り長い期間見ることで、企業の売り上げが、もう上がる見込みがないか、それとも一時的な売り上げの減少なのか判断できます。
まずは、この指標でその会社の商売の状態について確認します。
なお指標は業界が異なる別の会社同士を比較するのには適していません。

PBR(株価純資産倍率)

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割安性を示す指標で、PBRが1倍を下回る銘柄は、株価よりも会社の純資産額が大きいため割安といわれているので購入を検討できます。ただし低すぎるPBRは簿価が低すぎる可能性があるので、簿価の中身を自分で確認し、簿価が低い理由をハラオチしてください。

また資本集約的な業界では簿価が大きくなる傾向がありますが、IT企業などは逆の傾向があります。またのれん代は差し引いて計算した数字が、簿価の実態をしっかりと表していると言われます。

PCFR(株価CF倍率)

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割安性を示す、PERと近い見方ができる指標です。CFは単純に営業活動で本業に流出入する現金を示すのに対して、収益は様々な調整が施されるので単純化された指標として捉えやすくなります。

収益性を示す指標

ROA(総資産利益率)

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ROAの図

収益性を示す指標で企業が保有している資産を使い、利益をどれだけ効率的に稼いだかを表します。金融業界を除き、7%程度のROAを上げている企業には何かしらの堀がある可能性が高いです。
なお、重工・メーカー産業はROAが低く、IT業等の固定資産が少ない業界は高くなる傾向になります。貸借対照表の総資産額を当期純利益を割り、求めます。

ROE(自己資本利益率)

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ROEの図

収益性を示す指標で、企業が自己資本をどれくらい効率的に使っているかを表します。日本企業は8%以上を目指すべきとされています。米国は11%程度なので、日本企業にはまだ伸びしろが多い指数です。15%以上のROEを10~15年続けていれば、何かしらの堀がある可能性が高いです。
ただし、自己資本には負債を増やして数値を引き上げられるので、企業の総負債額を確認する必要があります。

ROIC(投下資本利益率)

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ROICの図

これは収益性を測る指標で、自己資本、負債にかかわらず企業に投資されたすべての資本に対してのリターンを測ります。税引き後営業利益(NOPAT))とは、企業の事業活動による実質的な利益を示しています。ROICは高い方が良いとされ、日本の株式市場では過去数年で4~6%を示しています。さらにこの指標は景気連動性が高いので、複数年の通してみる必要があります。

参考までに、
・IT通信業は10%程を示す会社が多い
・サービス業は7%
・建設業は5%前後
・医薬品業界はマイナスが出ることも多いので注意する
・小売業は2,3%程度、営業利益が少ないためと思われます
・金融業は2,3%程度です。

成長性を示す指標

PER(株価収益率)

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企業の成長性を示す指標で日経平均株価のPERが15倍程度が適正とされています。これは数値が高ければ、株価が高く評価されている=割高、低ければ株価が低く評価されている=割安と判断します。

基本的には、複数の業界にまたがって数社で比較するのではなく同業界の他社同士を比較する際に用いる指標です。

まとめ

割安性、収益性、成長性を示す指標について解説しました。

簡単にまとめると下の図のようになります。

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指標についてまとめた図

以上、皆様の投資のご一助になれば幸いです。
個別株分析の際は以上の指標、数値に気を付けていきましょう。

次回からは、「適正な株価はどのように計算するか?」概算の方法について解説していきます。

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