第4回ではネットワーク効果について解説しました。今回は、将来的に収益を上げ続ける可能性が高い会社が持っている「コストの優位性」について解説します。
では進みましょう!
堀「コストの優位性」とは
【コストの優位性一覧】
・安い製造過程
・有利な場所
・独自の資産
・規模の大きさ(規模の大きさは次の章で)
安い製造過程(提供過程)
その会社しかできない、製造過程・提供過程は他社よりも将来的な利益を確保する可能性が高いです。
トヨタと日産のように同じような事業を行っている企業は、価格低減や生産方法の努力が他社に真似をされやすい構造であり、また、巨費を投じた生産機械を使い続けてる製鉄業界も、一度行った投資回収に何十年もかかり、保守費用も必要になります。
もし、投資回収の間に生産技術が発展し、同じ品質で安い製造過程で同じものを生産できれば、その安いコストを価格に反映できるため、高い利益率で販売が可能になります。
これは例えば、中国の製鉄所は日本の製鉄所の生産ラインよりも新しいところが多いので、しばらくはコストの優位性が発生し、保守費用などが少なくなるために利益率を高くできることにも繋がっているとも考えられます。
有利な場所
実家が都心にある就活生は企業の説明会に参加しやすく、交通費も少ないので地方の就活生に比べて就活のコストが低くなります。こういった効果は会社にも同様に現れます。
資源の採取地が製造地に近い、鉄鋼で言えば供給地と消費地が近い、これは構造的に輸送コストが安くなり、その分を利益として確保することが可能です。
独自の資産
有利な場所と重複しますが、原料の採取地を自社で所有している場合も同様です。
また資源だけではなく漁業権を独占していたり、農業を営む企業であれば、育てる植物の成長に適した土地を保有し、早く育てることが可能であれば、販売するまでの時間が短くなり、それだけ販売する額は増えます。
まとめ
以上、コストの優位性とは
・安い製造過程
→最新でコストの低い生産設備、他社が真似できないような提供過程
・有利な場所
→採取地と製造地が近い、供給地と消費地が近い
・独自の資産
→資源の採取が低コストで行える、または回転が早い
以上3つのコストの優位性がある事がわかりました。
企業分析をする時はコストの優位性に気を付けましょう。
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